地球の組成をわかりやすく解説

固体地球分野

突然ですが地球ってどんな物質で出来ているかご存知でしょうか? 今回は地球の組成について解説します!

地球はどんな物質でできている?

普段皆さんが見ている地球の表面にはどんなものがあるでしょうか? 森林や都市、山々や海でしょうか。

生物や人工物といったものは地球のスケールからするとわずかで、地球の表面のほうは石ころなどと同じケイ酸(SiO2)という物質。深いところ鉄(Fe)やニッケル(Ni)でできています。

地球全体の物質の量ランキング(重量比)

1位 Fe(鉄) 34%

2位 O(酸素) 30%

3位 Si(ケイ素) 15%

4位 Mg(マグネシウム) 13%

5位 Ni(ニッケル) 2%

浜島書店,ニューステージ新地学図表中のデータより

2位の酸素は気体としてだけでなく、水(H2Oや岩石を形づくるケイ酸(SiO2)中にも存在しているので割合が高くなっています。

物質によって存在する深さが違う?

さきほど、地球の表面ケイ酸(SiO2)深いところ鉄(Fe)やニッケル(Ni)でできているといいました。では、なぜこうなるのでしょうか? 答えは物質の密度が異なることにあります。

鉄の塊は水に入れると沈みます。これは鉄の方が水よりも密度が高いからです。氷は水に入れると浮きます。これは氷が水よりも密度が高いからです。

地球は原始地球という状態だった時に表面全体がマグマに覆われており(このことをマグマオーシャンといいます)、マグマの中で密度が低いケイ酸が浮かび密度の高い鉄やニッケルが沈み、深さによって物質の存在比が変わることとなったのです。

物質で地球内部を区分する

密度の大きい物質は深いところに、密度の小さい物質は表面の方に分布しているため、物質の有る場所で地球内部を区分することができます。

この分け方を化学的区分(化学物質で分けるから)といいます。物質的区分ではないので注意しましょう。分け方は下図のようで、表面から地殻、マントル、核に分けられます。

核は外核、内核に分けられますが、これは物質ではなく液体か固体かという状態の違いによるものです。

各深さの組成

地球全体
[1]
Fe(鉄)
34.6%
O(酸素)
29.5%
Si(ケイ素)
15.2%
Mg(マグネシウム)
12.7%
Ni(ニッケル)
2.4%
大陸地殻
[2]
O(酸素)
46.6%
Si(ケイ素)
27.7%
Al(アルミニウム)
8.1%
Fe(鉄)
5.0%
Ca(カルシウム)
3.6%
マントル
[1]
O(酸素)
44.2%
Mg(マグネシウム)
23.3%
Si(ケイ素)
21.3%
Fe(鉄)
6.3%
Ca(カルシウム)
2.2%

[1]
Fe(鉄)
89.6%
Ni(ニッケル)
5.4%
その他
5.0%
[1]浜島書店,ニューステージ新地学図表中のデータより[2]小沼直樹,地殻の元素存在度(<特集>自然環境と化学),化学教育,1972 年 20 巻 3 号 p. 163-168中のデータより

各層で特徴的な物質

地殻のアルミニウム…地殻をなす岩石に含まれる長石などの鉱物にアルミニウムが含まれているから。

長石の化学式(長石は鉱物のグループ名なので以下に示しているのは長石に分類される鉱物の化学式)

Naに富む斜長石(曹長石ともいう、大陸地殻に多い)…NaAlSi₃O₈

Caに富む斜長石(灰長石ともいう、海洋地殻に多い)…CaAl2Si2O8

マントルのマグネシウム…マントルをなす、かんらん岩に多く含まれるかんらん石にマグネシウムが含まれているから。

かんらん石の化学式…(Mg,Fe)2SiO4

かんらん石の化学式のカッコは固溶体に使われる化学式で、MgSiO4とFeSiO4が溶け合った固体になっていることを示します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました