皆さん、この度は地学の楽園新潟編をご覧くださりありがとうございます。こちらでは新柄辺で出てきた地学スポットの解説をします。
※間違いのないように注意していますが、内容にミスがありましたらお伝えくださりますとありがたいです。
- 地学の楽園新潟編のGoogleマイマップ
- ブクブクと泥が噴出!(松代泥火山・十日町市)
- 世界レベルのヒスイ(ヒスイ・糸魚川市)
- 油田!(出雲崎町・五泉市・新潟市・阿賀野市・上越市・長岡市・柏崎市・見附市ほか)
- 無数の石柱”柱状節理”(早出川渓谷・五泉市)
- 驚きの10列砂丘(新潟砂丘・胎内市・新発田市・聖籠町・新潟市)
- 大地の裂け目フォッサマグナの西の端”糸静線”(糸魚川–静岡構造線・糸魚川市)
- 感動の河岸段丘(信濃川の河岸段丘・津南町)
- 津南のグランドキャニオン(石落し・津南町)
- 日本三大峡谷(清津峡・十日町市)
- 太古の海底溶岩ドームがなす絶壁(八木ヶ鼻・三条市)
- 日本のフィヨルド ※フィヨルドではない(尖閣湾・佐渡市)
- 日本最大級の金山(佐渡金山・佐渡市)
- 日本最大だった油田(新津油田)
- 新しい鉱物”糸魚川石”(糸魚川市)
- 日本一深い鍾乳洞(白蓮洞・糸魚川市)
- 日本屈指のカルスト(マイコミ平・糸魚川市)
- カルデラ!(妙高山のカルデラ・妙高市)
- 地震で隆起した島(粟島・粟島浦村)
- 凍って融けてできた階段(寒江山の階段状構造土・村上市)
- 見事な海岸段丘(大佐渡海岸の海岸段丘・佐渡市)
- 日本第3番目に重い隕石(米納津隕石・燕市)
- 参考文献
地学の楽園新潟編のGoogleマイマップ
ブクブクと泥が噴出!(松代泥火山・十日町市)

泥火山とは地下のメタンガスなどによって泥が地表に噴き出して形成される地形です。こうした泥火山は国内では限られた場所でしか見られません。火山と付いていますが、火山とは異なる地形でありマグマが噴出するということはありません。松代泥火山の他には北海道の新冠泥火山や台湾の田寮、インドネシアのジャワ島のものなどが有名な泥火山として知られます。
世界レベルのヒスイ(ヒスイ・糸魚川市)

ヒスイは日本の国石であり、縄文時代から宝飾品として世界中の人々を魅了してきた鉱物です。勾玉に使われるあの緑の宝石といえば伝わりやすいでしょうか。
糸魚川のヒスイは世界最古の加工文化をもち、糸魚川市はヒスイで町おこしをしています。

油田!(出雲崎町・五泉市・新潟市・阿賀野市・上越市・長岡市・柏崎市・見附市ほか)
石油というと中東やアメリカなど、外国から輸入するものというイメージではないでしょうか。事実、日本の石油輸入率は99.7%(資源エネルギー庁, 2024)であり、ほとんどは輸入によるものですが国内でも産出はします。
国内で最も石油が産出するのは新潟県なのです。今も年間259,044kL(新潟県, 2023)産出しています。
また、県内の各地で石油が噴き出しています。
無数の石柱”柱状節理”(早出川渓谷・五泉市)

柱状節理とは、マグマが冷えることで縮み、6角柱状に割れてできる構造のことです。早出川渓谷の衣岩では美しい柱状節理を楽しむことができます。
驚きの10列砂丘(新潟砂丘・胎内市・新発田市・聖籠町・新潟市)

新潟砂丘は前長70㎞の大きな砂丘です。砂丘というと鳥取砂丘の様な砂山が広がっている光景を想像する方が多いと思いますが、新潟砂丘の大部分は民家が立っていたりと人の手が加わっています。
新潟砂丘は10列もの砂丘が内陸に広がっています。砂丘は周辺よりも標高が高く、洪水のリスクが低いため、住宅が砂丘に沿っている様子を見ることができます。
大地の裂け目フォッサマグナの西の端”糸静線”(糸魚川–静岡構造線・糸魚川市)

フォッサマグナについて丁寧に説明するととても長くなってしまうため、簡潔に説明します。フォッサマグナは日本列島が大陸から切り離された際に形成された溝状の構造で、フォッサマグナの東側と西側では地質が大きく変わります。そんな地学的に重要なフォッサマグナの西の縁にあたるのが糸魚川–静岡構造線です。構造線というと難しいですが、大きな断層のことです。
糸魚川市内ではなんと! 糸魚川–静岡構造線の断層が直接見られる場所が有ります。それがフォッサマグナパークです。
また、近くにはフォッサマグナミュージアムという博物館があります。
感動の河岸段丘(信濃川の河岸段丘・津南町)
河岸段丘は川の侵食と堆積によって作られる階段状の地形です。
津南町を流れる信濃川沿いには9段もの河岸段丘を見ることがあり、河岸段丘を見るための展望台もあります。
津南のグランドキャニオン(石落し・津南町)

石落としは中津川がつくった渓谷によってダイナミックな柱状節理が現れた景勝地です。この柱状節理は付近の苗場山の溶岩により形成されています。
日本三大峡谷(清津峡・十日町市)

清津峡は、日本三大峡谷のひとつに数えられる渓谷で、雄大な柱状節理が広がっています。かつてあった登山道に代わり、今はトンネルが整備されており、四季の移ろいとともに変化する美しい景観を楽しむことができます。最近ではアートとの融合の動きが活発で、多くの人が訪れる人気のスポットになっています。
太古の海底溶岩ドームがなす絶壁(八木ヶ鼻・三条市)

八木ヶ鼻は、高さ約200 mの断崖がそびえる壮大な景観が特徴の場所です。この断崖は、流紋岩でできた海底の溶岩ドームが地表に現れたものです。
日本のフィヨルド ※フィヨルドではない(尖閣湾・佐渡市)

尖閣湾は、切り立った岩が並ぶ美しい岩石海岸です。ノルウェーのハルダンゲルフィヨルドに似た景観から日本のフィヨルドと呼ばれています。ただし、氷河によってできた地形ではないため、地形学的にはフィヨルドではありません。佐渡を代表する景勝地として多くの人に親しまれています。
日本最大級の金山(佐渡金山・佐渡市)

佐渡金山は世界遺産としても有名ですし、多くの方が解説しているのでここでは簡潔に説明します。
佐渡金山は、400年以上の歴史をもつ日本有数の金山として知られます。石英脈の中に金や銀が含まれています。
日本最大だった油田(新津油田)
新津油田はかつて日本最大の油田として知られた場所で、現在も遺構が残っています。付近にある新津温泉は日本一の石油臭の温泉と称される珍しい温泉です。
新しい鉱物”糸魚川石”(糸魚川市)
糸魚川石は1998年に見つかった青色の新鉱物です。糸魚川市内の宮島宏氏らにより発見されました。
糸魚川市内では他にも、青海石、奴奈川石、蓮華石、松原石、新潟石と数多くの新鉱物が見つかっています。
まさに新鉱物の宝庫ですね。
日本一深い鍾乳洞(白蓮洞・糸魚川市)
白蓮洞は糸魚川市にある深さ513mの洞窟です。内部は危険であるため開放はされていません。
日本屈指のカルスト(マイコミ平・糸魚川市)
マイコミ平は糸魚川市内にあるカルスト地形で無数のドリーネ(カルスト特有の窪地)や白蓮洞をはじめとする多数の鍾乳洞があります。普段は立ち入り禁止の秘境で、入るためにはツアーに参加するなどする必要があります。
カルデラ!(妙高山のカルデラ・妙高市)

妙高カルデラは2万年前に形成(高野, 1969)されたカルデラです。カルデラとは簡潔に説明すると大規模噴火によってできた陥没地形であり、外輪山や中央火口丘といった地形ができます。
国内では阿蘇や箱根なども有名なカルデラとして知られます。
地震で隆起した島(粟島・粟島浦村)

粟島は日本海に浮かぶ面積10平方キロメートル弱の島で、この島は隆起によって形成されました。海岸を見るとかつての海底が干上がっている光景を見ることができます。
粟島は1964年の新潟地震の際にも隆起しています。
凍って融けてできた階段(寒江山の階段状構造土・村上市)
構造土と言われてもピンとこない方が多いのではないでしょうか。この地形は寒冷な地域で地面の水分が凍って融けてを繰り返してできる地面の模様です。多角形や円形の模様を作り出します。
寒江山には階段状の構造土が見られます。
見事な海岸段丘(大佐渡海岸の海岸段丘・佐渡市)
佐渡島は断層の活動によって隆起して形成されました。特に佐渡島北側の大佐渡海岸では隆起によって生じた美しい海岸段丘が広がっています。
日本第3番目に重い隕石(米納津隕石・燕市)
米納津隕石(よのうづいんせき)は江戸時代の1837年に燕市に落下した隕石で、日本に落ちた隕石の中で3番目に重いものです。隕石が落ちた場所にはモニュメントが建てられています。
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