みなさんこんにちは
日本では年に1,2回くらいのペースで震度6弱の揺れを観測する地震が発生しています。
大きな揺れなのだろうというのは分かっても、震度6弱を経験したことない人からすれば実際どのくらいなのかピンとこないと思います。
そこで今回は、震度6弱はどれくらいの揺れなのかを震度の定義や実際の映像から解説します!
そもそも震度とは?マグニチュードとの違い
震度はある地点における揺れの大きさの指標のことです。
日本では気象庁震度階級と呼ばれる震度を用いています。アメリカなどではメルカリ震度階級を用いており、これは日本のものとは全く異なります。
そのため、海外の地震について震度が報道されることは原則有りません。(台湾は気象庁震度階級とほぼ同じものを使っているため例外)
気象庁震度階級は0,1,2,3,4,5弱,5強,6弱,6強,7の10段階あります。
震度とマグニチュードの違い
震度とともに地震について表す指標としてマグニチュードがあります。
マグニチュードは地震そのものの大きさを表す指標です。
震度はある地点における揺れの大きさの指標であるため、同じ地震であっても観測する場所によって変わってきます。
例えば震源からすぐの地点は震度4で、震源から200㎞離れた地点では震度1だったといったように場所によって変わってくるわけです。
なお、震度の大きさは距離だけでなく地盤の様子や地下のプレートの分布などによって決まってきます。
一方でマグニチュードは一つの地震で必ず一つだけです。
上の図は震度とマグニチュードの違いを端的に表しています。
震度の定義
日本の震度である気象庁震度階級は以下のように計算されて求められます。
気象庁震度階級の震度は地震の加速度をもとに計算しています。加速度は1秒当たりの速度の変化を表すものです。この加速度が大きいと揺れが激しいと言えます。
通常、加速度はm/s2 (メートル毎秒毎秒)で表されますが、地震に関してはgal(ガル)という単位を用います。
1gal=0.01m/s2 です
震度は以下のような流れで計算されます(難しい言葉は無視して構いません)
1.地震の加速度記録をフーリエ変換する。(フーリエ変換は波形を三角関数の和とする変換)
2.計算のために補正するフィルターを掛ける
3.逆フーリエ変換する(フーリエ変換の逆)
4.水平2成分、垂直1成分の波形をベクトル的に合成
5.合成したものの加速度の大きさの絶対値がa以上の合計時間が0.3秒になるようなaを求める。
6.計測震度Iとして、 I=2loga+0.94 を計算し、小数第3位を四捨五入し、小数第2位を切り捨てる。
震度6弱を震度の定義に当てはめて考える
震度6弱は加速度から計算された計測震度が5.5以上6.0未満の震度です。
これは加速度の大きさの絶対値の合計が0.3秒以上になる加速度aが約190.5~約338.8galとなります。
ちょっとこれだとピンときませんが、数値で表すとこんな感じです。
震度6弱の体感・被害
では、具体的に震度6弱の揺れの体感や被害はどのようなものでしょうか?
気象庁の気象庁震度階級関連解説表より抜粋して紹介します。
人の体感・行動
立っていることが困難になる。
屋内の状況
固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある。ドアが開かなくなることがある。
屋外の状況
壁のタイルや窓ガラスが破損、落下することがある。
気象庁ホームページ「気象庁震度階級関連解説表」https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/shindo/kaisetsu.htmlより抜粋
立っていることが困難になったり、ガラスが割れたりなどと大きな被害が出ることが分かります。
震度6弱の映像
具体的に映像を見ることでイメージしやすくなるため、震度6弱の揺れの様子が撮られた映像を紹介します。
※紹介する映像は地震で揺れている様子を映したものです。地震の映像によって大きな精神的ストレスを感じる方は視聴をお控えください。
【動画・震度6弱 鳥取県倉吉市】
新6弱の揺れを観測した鳥取県倉吉市の地震直後の様子です pic.twitter.com/2Ld8bPtMT2— NHK生活・防災 (@nhk_seikatsu) October 21, 2016
震度6弱の揺れを観測した福島市の飲食店街にあるビルの2階にある店では10秒ほど体が横に揺さぶられる揺れがあったあと、さらに踏ん張って立っているのが難しいほどの強い縦揺れが20秒ほど続きました。https://t.co/q1s0gmAMmy#nhk_video pic.twitter.com/DlN4bp6HLP
— NHKニュース (@nhk_news) March 16, 2022
最大震度6弱を観測した地震
最近、最大震度6弱を観測した地震は以下のようなものがあります。
2016年6月16日 内浦湾の地震
2016年10月21日 鳥取県中部の地震
2018年6月18日 大阪府北部の地震
2019年6月18日 山形県沖の地震
2022年6月19日 石川県能登地方の地震
震度6弱の地震はどのくらいの頻度で起こるのか
震度6弱以上の地震は2013年から2022年の10年間で20回起こっています。
つまり、平均して年に約2回のペースで日本で震度6弱以上の揺れを観測する地震が発生していることになります。
コメント