長津呂(ながつろ)の地層
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途中、長津呂と呼ばれる場所があります。この辺りで地面の地層を見てみましょう。1㎝ほどの大きさの黒い粒子が見られると思います。この粒子は小さな穴が開いています。この粒子をスコリアと言います。主に玄武岩質のマグマからできる火山噴出物です。軽石の黒い色違いだと思ってもらっても大丈夫です。
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ここで南方を望むと伊豆大島が見えます。少しかすんでいますね。
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また東の方に目をやると、房総半島を見ることができます。東京湾を行き来するたくさんの船も見ることができます。最近、望遠レンズにはまっているのでたくさん撮ってしまいました。
海食崖
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東の方に歩いている途中左側が崖になっていることに気づくと思います。この崖を海食崖といいます。波の力によって陸地が削られてできた崖です。この場所が昔から波が強い場所であること示します。
海食台
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海食崖に対して、海寄りの平らになっている部分を海食台と言います。平らに侵食されてでき、やや海よりに傾いています。海の中に沈んでいるものを海食台、隆起して陸化したものを隆起海食台と言います。ちなみに、この海食崖と海食台の形成が繰り返されることによって、海岸段丘ができます。海岸段丘も日本各地で見ることができます。
海食洞
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馬の背洞門に行く途中、左側の海食崖にいくつか洞穴を見ることができると思います。これを海食洞と言います。これも波の作用によって削られてできました。
近寄る際は、上から落下物がないかなど十分気をつけて観察してください。
馬の背洞門(うまのせどうもん)
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しばらく進んでアーチのようなものが見えてきました。あれが馬の背洞門です。この辺りから地面が砂地になります。足元に注意しましょう。
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着きましたこれが馬の背洞門です。
地形としては海食洞穴と呼ばれる種類の地形です。このアーチの部分が馬の背のように見えることから馬の背洞門という名前がつきました。
この場所は関東大震災の際に隆起して、陸になりました。かつては馬の背洞門の中を小舟が通ることができたようです。
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ここの地層をよく見ると、黄土色の塊を見ることができると思います。これは偽礫と呼ばれるものです。未固結の堆積物がタービダイトによって地層の中に取り込まれた礫状の物のことです。
赤羽根海岸(あかばねかいがん)
馬の背洞門のすぐ横に階段があり、そこを登って森の中を進むと、右側に階段がありそこを降りると赤羽根海岸にたどり着きます。
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黒っぽい砂浜が広がっています。
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崖を見上げるとおびただしい数の穴が見えます。これもおそらくタフォニと思われます。
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東に目をやると美しい断崖が見られると思います。この地層は下の方が初声(はっせ)層で上の茶色い地層が関東ローム層です。これらの地層は年代に隔たりがある不整合の関係です。
ウミウ展望台
また階段を上って東に向かいます。
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ここからもさっきの綺麗な断崖が見られます。
旧安房埼灯台
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城ヶ島の一番東には旧安房埼灯台という灯台があります。少し遠いですが、行ってきました。城ヶ島公園のさらに先の階段を下ったところです。こちらにもまた露頭が広がっています。
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ここの特徴としては、城ヶ島の他の場所に比べて断層が少なく、平行な地層が露出している様子を見ることができます。
ここからバスで帰る方は、白秋碑前バス停が最寄りです。
おわりに
今回の城ヶ島の地層巡りはこれでおしまいです。教科書レベル(実際教科書にも載っている)の堆積構造そして地層がそこかしこにある城ヶ島は非常に魅力的な場所です。また、名物のマグロを扱ったお店もたくさんあり観光地としても非常に楽しむことができます。地学が好きな方、雄大な景色を気軽に見たい方、是非一度行ってみては?
コメント
いつも読みやすい記事をありがとうございます。
さて、楫の三郎山におけるタフォニの形成過程の説明が「化学的風化」となっていますが、タフォニは塩類風化によって形成されるものですので「物理的風化」ではないでしょうか。ご確認をお願いいたします。
返信ありがとうございます。
ご指摘の通り、物理的風化ですね。訂正させていただきます。