皆さんこんにちは
地震が起きた時、揺れの大きさを表すのに”震度”が使われると思います。例えば震度3や震度5弱といった感じですね。
しかし、アメリカなどでは日本とは違う指標”メルカリ震度階級”と呼ばれるもので揺れの大きさを表します。
今回は日本の震度とメルカリ震度階級がどのように異なるのかということについて解説します!
日本の震度”気象庁震度階級”
そもそも日本で震度3とか震度7とかが普通に使われていますが、これは何なのでしょうか。
日本で使われている揺れの指標、つまり震度は正式名を「気象庁震度階級」と言います。
この気象庁震度階級は震度0から震度7までの10段階となっています。
0から7では8段階では? と思うかもしれませんが、震度5は5弱と5強、震度6は6弱と6強に分かれているため、全部で10段階です。
気象庁震度階級は以下のように揺れのデータが計算されて決められています。(気象庁ホームページより要約)
1.地震の加速度記録をフーリエ変換する。(フーリエ変換は波形を三角関数の和とする変換)
2.計算のために補正するフィルターを掛ける
3.逆フーリエ変換する(フーリエ変換の逆)
4.水平2成分、垂直1成分の波形をベクトル的に合成
5.合成したものの加速度の大きさの絶対値がa以上の合計時間が0.3秒になるようなaを求める。
6.計測震度Iとして、 I=2loga+0.94 を計算し、小数第3位を四捨五入し、小数第2位を切り捨てる。
例えば計測震度3.0はaが10.7152…galになります。galは加速度の単位で、0.01m/s2です。加速度は速度の変化の様子のことです。地震の場合は地面がどのくらい揺れているのか知るために加速度が観測されます。
上記のようにして求められた計測震度は以下の表のようにして普段私たちが見るような、整数の震度となります。
震度階級 | 計測震度 |
0 | ~0.5 |
1 | 0.5~1.5 |
2 | 1.5~2.5 |
3 | 2.5~3.5 |
4 | 3.5~4.5 |
5弱 | 4.5~5.0 |
5強 | 5.0~5.5 |
6弱 | 5.5~6.0 |
6強 | 6.0~6.5 |
7 | 6.5~ |
1996年3月以前は人間の体感、周囲の状況より判断されていましたが、現在は計測された揺れのデータを処理して求められています。
アメリカなどで使われる“改正メルカリ震度階級”
アメリカなどでは日本の気象庁震度階級ではなく、改正メルカリ震度階級(MM,MMI)が使われています。
アメリカ地質調査所(USGS)はこの震度階級を用いているため、海外の地震の揺れの大きさは改正メルカリ震度階級で表されることも多いです。
ちなみに、某フリマアプリのメルカリはラテン語のMercariから来ています。一方でメルカリ震度階級はイタリアの火山学者・地震学者のジュゼッペ・メルカリ(Giuseppe Mercalli)から来ているため無関係です。
改正メルカリ震度階級はⅠ(1)からⅫ(12)の12段階で表されます。
改正メルカリ震度階級は以下のように求められます。(USGSホームページより要約)
改正メルカリ震度階級は人が感じる揺れの大きさ、建築物の損傷の度合いなどをもとに求められるもので、数学的な根拠はない。
ただし、USGS(アメリカ地質調査所)が発表する、シェイクマップ(震度分布図)ではメルカリ震度階級の大きさを計算によって算出しています。
日本の震度とメルカリ震度階級は比較できない
前述の通り、日本の震度は計算をもとに求められるのに対して、メルカリ震度階級は被害状況によって求められるため、比較は難しいです。
海外の大地震で震度が報じられない理由
メルカリ震度階級と日本の震度は比較できないため、海外の大地震では震度は報じられず、地震の規模を示す指標であるマグニチュードのみ報じられます。
ただし、台湾の地震は日本の旧気象庁震度階級が由来にある、中央気象局震度階級が用いられており、震度表記が日本と同じ0から7の10段階であるため、報道されることがあります。
例
コメント